ボクは誰?
「薄々気づいていたわ。」


お母さんの言葉に、

思わず耳を疑った。

ウスウスキヅイテイタ…


嘘!マジで?


「有希がスカートを嫌がるようになっていたし、髪型もショートにしかしなかった。たまにお母さんの前で『ボク』って言ってたけど、史佳ちゃんを見ていたら、おそらく学校ではいつも『ボク』でいたんだろうなーって。」


気づかれていたんだ…。


「有希の様子をずっと見てきて、何となくわかっていたわ。お母さん、直感が鋭いのを知らなかったの?」


お母さんは、

やっぱり泣いていた。

でも、

涙を流しながら、

笑顔でボクに話す。


ああ。

お母さん、

ごめんなさい。

ボク、

ちゃんとした女の子でなくて、

本当にごめんなさい。

ボクがもし、

生まれ変われるとしたら、

またお母さんの子供として生まれたい。

その時は、

体も心も女の子になって、

生まれてくるからね。




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