ボクは誰?
ある夜、

史佳から、

電話がかかってきた。


「有希、どうかしたの?最近変だよ?何かあったの?」


その電話を受けた時、

ふと窓の外を見たら、

きれいな星空が広がっていた。

変な話かもしれないけれど、

ボクはこの、

きれいな星空を見ていたら、

史佳に勇気を出して、

話してみようって気持ちになれたんだ。


「史佳。真面目な話なんだけど、聞いてくれる?」


「うん。どうしたの?」


「ボク、病気かもしれないんだ。」


「え?どんな病気?」


「『性同一性障害』って病気なんだけど、たまたまネットをしていて知ったんだ。それは簡単に言うと、『体は女の子で心が男の子』とか『体は男の子で心が女の子』っていうのらしいんだ。その症状を見ていると、ボクはそれかもしれないんだ。」


しばらく沈黙が続く。


怖い。

この沈黙が怖い。



ボク、

史佳に嫌われたかな?

だとしたら、

言わなければよかった。




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