ボクは誰?
気づいたら、

だんだん、

史佳との距離が広がった。

以前は遅い時間まで、

一緒に図書館や、

本屋で時間潰ししてた。

でもそれも、

今は大貴と一緒。

ボクは抜け殻のように、

まっすぐ帰宅するだけ。

部屋に入っても、

何もする気力が出ない。



ボクの中で、

こんなにも史佳の存在が、

大きかったんだと気づいた。

今になって気づいても、

もう遅いけど。



当然夜の電話やメールも、

あまり来なくなった。

大貴と話しているだろうと思うと、

ボクから電話や、

メールすることもなくなった。

史佳には、

幸せになってもらいたい。

史佳は今まで、

お父さんやお母さんの、

愛人のことで、

ずっと苦しい思いを、

してきたから。

だから幸せになって欲しい。



史佳が笑顔でいるなら、

ボクは、



史佳と離れる。



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