ボクは誰?
「何するんだよっ!」


ボクはムカついたから怒鳴った。


「高橋、元気ねーからだよ。」


「え?」


雅史の意外な言葉に、

ボクは何を言えばいいか、

わからなかった。


「高橋ってさ、教室でも時々そんな顔してるだろ?俺さ、高橋のそんな顔は見たくねーんだよ。」


「…。」


「そうだよ。雅史が言うように、俺もそれ感じてた。確かに高橋は、一部の女子からからかわれてるけどさ、それだけじゃないんだろーなって思ってた。」


雅史と晃の言葉に、

ボクは何も言えなかった。


「何か悩みでもあんのか?俺に言ってみろよ。力になっからさ。」


「何にもねーよ。」


史佳の事は絶対言えない。

絶対言いたくない。


「ってか、雅史も晃もひでーよ。ボクの服、ビショビショじゃんかー。」


「わりーわりー。(笑)」


「笑い事じゃねーぞ?」


「暑いから、すぐ乾くよ。」


「ったく。」


ブツブツ言いながら、

ボクは川から上がった。




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