ボクは誰?
「そんなのもあるんだ。」


絵美が持ってきた雑誌を見て、

ボクは小さな声で話した。


「絵美、小説とかわかんないしー。ちょうど読みたかった雑誌があったから、持ってきたの。」


「ふーん。」


「ボクちゃんは何を持ってきたの?」


「ん?太宰治。」


「誰?それ?」


「知らねーの?」


「うん!」


はー。

思わずため息が出た。

有名な作家なのに、

知らないなら、

説明する時間がもったいない。




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