ボクは誰?
史佳。

史佳。

今は夏で暑いけれど、

ボクの心は、

ほんわかと温かいんだ。



史佳。

史佳。

今は夏で暑いけれど、

史佳に嫌われたならば、

ボクの心は、

氷のように冷たくなるんだ。


「有希、ごめんね。」


涙を拭きながら、

史佳が言った。


「どうかした?」


「大貴とケンカしちゃった。」


泣きたいくせに、

そんなに無理して笑うなよ。

あんなに泣いたのは、

それだけショックだったんだろ?

それだけ悲しかったんだろ?


「私、大貴と別れるかもしれない。」


「まだ決まってないだろ?」


「でも、大貴は浮気してたんだもん。」


「浮気?嘘だろ?」


「ほんと。今日大貴と会う約束をしていたの。でも待ち合わせ場所で待っても来ないから、大貴の携帯に電話したら、知らない女性が出た。」


沸々と怒りが沸いてくる。


「最初は家族かと思ったの。でも電話の相手の女性が、『大貴~。彼女に言ってあげたら~?もう終わりだってー。私と付き合うんだって。キャハハハ!』って。」


「んなろー!大貴、許せねー!」


気づいた時は、

ボクの体が動き出していた。




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