ボクは誰?
「有希の部屋に来るの、久しぶりだね!」


嬉しそうな史佳の顔を見て、

何だかボクまで嬉しくなってきた。

史佳が笑顔でいられるなら、

ボクは、

何だってするよ。

史佳を守るためなら、

ボクは、

何だってするよ。


「今夜はゆっくりしていきなよ。」


「うん。ありがとう。何だかいつも有希に甘えてばっかりだね。」


「いいじゃん。ボクでよければ、いつでも構わないよ。」


「うん。有希、ありがと。」


少し史佳に、

元気が出てきたのかも。


「最近、高校で話をしなくなったけど、有希は学校でどうしてる?」


「ん?クラスの男子と仲良くしてるよ。」


「そうなんだ。」


「どうかした?」


「何だか、有希がどんどん遠いところに行っちゃうみたいな気がした。」


「何言ってんだよ。ボクはいつも史佳の味方だって言ったろ?騎士になるって言ったろ?」


「うん…。」


「逆にボクの方が、史佳を遠く感じていたよ。」


「そうなの?」


「ああ、だってだい…。」


ヤバイ!

今の史佳の状態を考えたら、

大貴の名前は出さない方がいいな。




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