ボクは誰?
誰もいない廊下で、

大貴が立ち止まり、

ボクを見た。


「大貴、直接史佳に告ればいいじゃん。」


「いや、違うよ。俺は高橋が好きなんだ。付き合ってよ。」




え?


史佳じゃなく、

ボクが告られた?


「俺、一年の時から高橋が好きでさ、二年になってまた同じクラスになって、超嬉しかったんだー。」


マジ?

ありえない。

でもボクは大貴に興味ない。


「大貴、悪い。ボクより史佳を見てやってよ。史佳、結構かわいいぞ?」


「鈴木?確かにかわいいけど。」


「ボクは好きな人がいるんだ。だから、ごめん。」


「そ…か。」


「史佳、マジでかわいいから。よろしくっ!」


そう言って逃げるように、

そこから走り去った。




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