ボクは誰?
「だって大丈夫って感じがするよ、ボクがいなくても。」


慌ててごまかしてみた。


「大貴がいたから?」


やっぱりごまかしても無駄だったか。


「やっぱさ、女の友情って彼氏ができると違うだろ?」


「でも男の子とは別れる可能性はあっても、親友とは縁が切れないよ?」


ズキン!


「そうだな。」


いつものように、

『親友』という言葉に、

胸が痛くなった。



「さあ、夕食できたわよー。」


「お母さん、ドアのノックぐらいしてよ。」


「いいじゃないの。さあ、史佳ちゃん食べて。」


「はい!いただきまーす!」


お母さんが持ってきた夕食を、

史佳はおいしそうに食べる。


「おいしい!有希のお母さんって、すっごく料理が上手なんですね!」


「あら、そう?」


「お母さん、そうでもないから。」


「もう、有希ったら素直じゃないわねー。史佳ちゃんみたいに素直になりなさい。」


「はーい。」


その後お母さんは部屋を出た。




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