ボクは誰?
まだ青白い顔をした史佳。

手首を切った分、

血液が足りないのだろうか?

ボクの血を分けてあげたいよ。

タクシーでは、

ずっと無言の三人。


やっとボクの自宅に到着。


「史佳ちゃん、おうちで苦しい事がたっくさんあったのね。もしよければ、ずっと有希の部屋で過ごす?」


「え?でもそんな…。」


「いいのよ。その方が有希も喜ぶだろうし、私は娘が増えたみたいで嬉しいわ。いつも史佳ちゃんは、幸せそうな顔でご飯を食べてくれるから、私も料理の作り甲斐があるもの。」


「じゃあ、お言葉に甘えさせて下さい。家だとお父さんの奥さんになった人と、どうしてもうまくいかないんです。」


「そうよね。血が繋がってないんだし、女性同士って相性が必要だものね。私は史佳ちゃんが大好きだから、遠慮しなくていいからね。」


「ありがとうございます!」


何だか話が、

ボクを無視して、

勝手に進んでいるし。



史佳と過ごせるのは、

嬉しいけどな。

でも気持ちを、

封印しているだけに、

一緒に過ごすってのは、

結構きついかも。



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