ボクは誰?

告白

帰宅して、

ベッドに寝転んでから、

史佳は、

窓の外をずっと眺めてる。



まだ大貴のことを、

考えているんだろう。

そこにボクが入る隙間はある?

そこにボクはいる?

ボクはここだよ。

キミはどこにいる?

キミの心はどこにある?


「有希、どうかしたの?」


突然声をかけられて、

初めてボクは、

史佳を見つめていたことに気づく。


「いや、何でもないよ。」


そう言ってごまかす。


「でも、有希。顔が赤いよ?」


「史佳の顔色が悪いから、ボクの顔色がよく見えるだけだよ。」


苦し紛れの嘘だと、

バレていたのか、

史佳は黙って微笑んだ。




< 182 / 406 >

この作品をシェア

pagetop