ボクは誰?
「そりゃショックじゃないって言ったら、嘘になるわね。でもあなたが今までずっと、苦しんでいたのなら、その気持ちが楽になって欲しいって、お母さんは思うの。」


「有希、有希のお母さんね、前に話を聞いてからずっと悩んでいたんだって。」


知らなかった。

悩んでいたのは、

ボクだけだと思ってた。


「お母さんは、有希が幸せならそれでいいのよ。お母さんが今まであなたに、スカートを無理に履かせてごめんね。」





嘘だろ?

嘘だろ?

こんなに話が、

うまくいくわけないじゃん!

何でだよ。



嬉しくて、

涙が出てきた。


「さ、早くご飯食べて支度しなさい。」




ボクは、

涙を流しながら食べた。




たぶん、

この時食べたご飯の味を、




ボクは、

一生忘れないだろう。




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