ボクは誰?
書き終えて、

保険証と一緒に受付に渡す。


「では、ここをまっすぐ進んで、突き当たりを左に曲がりますと、精神科ですので、これを窓口に渡してからお待ち下さい。」


そう言われて、

クリアファイルを渡された。



朝一番で来たのに、

待合室は結構混雑していた。


「お願いします。」

そう言いながら、

窓口にクリアファイルを渡す。



何を聞かれるんだろう?


「有希。結構混んでるね。」


「ああ。こりゃかなり待たされるな。」


「そうだね。」


「ボク、待つのって嫌いなんだよなー。これから先もこんなんじゃ、来る気なくすよ。」


「じゃあ、今のままでいいの?」


「…やだ。」


「じゃあ、諦めて気長に待とうよ。」


「だな。今日は史佳がいるからいいけど、次回からは本を読みまくるか。」


「あっという間にたくさん読めるんじゃない?」


「かもな…。」



ボクはそんな他愛もない話を、

史佳とずっと話していた。



こんな風に、

二人でゆっくり話すのは、

ボクには最高の時間だ。



< 202 / 406 >

この作品をシェア

pagetop