ボクは誰?
「カウンセリング、お願いします。」


「よし。じゃあ、今後のことも考えて、もう一人の精神科医と一緒に話を進めていこう。本当に『性同一性障害』と認められて、高橋さんが十八歳を過ぎたら治療を始めようか。」


「はい。よろしくお願いします。」


ボクは次回、

病院に来る日時を約束して、

診察を終えた。


「有希。どうだった?」


「ん。まだ治療はできないって。」


「えー?なんで?」


「十八歳以上じゃないとダメだって。」


「そっか。でもあと二年だね。すぐだよ。」


「だな。今まで苦しかった時を比べたら、二年はあっという間だよな?」


「うん、そうだよ!」


「しばらくは、カウンセリングを受けることにした。」


「よかった。何だか有希が遠いところへ、行くような気がして怖かった。」


「なーに言ってんだよ。ボクがどこか行く訳ねーじゃん。」


「そうだよね。(笑)」


ボクと史佳は、

会計を済ませて病院を出た。


「あちー!」


「病院はエアコンがすっごく効いてたもんねー。」


「だよなー。向こうは天国、外は地獄ってくらいあちー!」


ボクは、

お母さんに報告するために、

携帯の電源を入れた。



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