ボクは誰?
「ん?何だ?」


「本当は、鈴木さんみたいにずっと前から『有希』って呼びたかった。ずっと『ボクちゃん』って呼んでいたのを後悔してた。ずっと謝りたかった。友達になりたかった。鈴木さんがうらやましかった。彼氏もいて、高橋さんと親友で仲良くしている、鈴木さんがうらやましかった。絵美はずっと一人だったから…。」


「有賀さん。私はそんな風にうらやましがられるような人じゃないよ。」


「だって。」


「私ね、家族がバラバラなの。有希がそんな私を救ってくれた。守ってくれた。だから有希にはいつも感謝してる。今、有希の家にいるのも、家には居場所がないからなの。」


「実は、絵美も家に居場所がないの。」


「え?」


「絵美。とりあえず、ボクの家で話そうか。ここで話すよりはいいだろ?」


「いいの?絵美がいてもいいの?」


「ああ。」


こうして、

史佳と絵美と、

ボクの三人で、

ボクの家に戻った。






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