ボクは誰?
「有希、どうかしたの?」


ふいに、

史佳が話しかけてきた。

気づいたら、

史佳がボクの顔を、

覗き込むように見ていた。


「いや、何でもないよ。考え事してた。」


「そう?すっごく気難しそうな顔をしてたよ?」


「何でもないよ、大丈夫。」


「ならいいけど。」


再び沈黙。


結局、

ボクの家に着くまで、

お互い黙ったままだった。


「ただいま。」


「あら、おかえり。」


すぐに部屋に入った。


「有希。」


「ん?」


「私、変かな?」


「何が?」


「いや…、うん…。」


「何だよ。どうかした?」


「あのね、もしかしたら私、晃君が好きかも。」







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