ボクは誰?

秘密の場所 1

父の実家に行って、

まずは挨拶。

そして史佳を紹介した。


「はじめまして。高橋有希さんの同級生の、鈴木史佳です。」


丁寧な挨拶をしてくれた史佳。

すごいな。

ボクはそこまで、

ちゃんと挨拶する自信がない。


二人で仏壇にお線香をあげてから、


こっそり史佳に話した。


「実はボクだけの秘密の場所があるんだー。」


「えー?どんなとこ?」


「秘密だから言えないな。(笑)」


「えー?すっごい気になるー!」


「行ってみる?」


「うん!楽しみー!」


目を輝かせながら、

そう話す史佳が、

すっごくかわいかったんだ。

ボクが本当に男だったら、

抱きしめていたかもしれない。


「じゃあ、行こうか。」


「うんっ!」


「お母さん、ちょっと遊びに行って来る。」


「気をつけてね。」

ボクは後ろからついてくる、

史佳を意識しながら歩いた。

離れ過ぎず、

近すぎずの距離を保って、

ボク達は山道を歩いた。



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