ボクは誰?
「OKって?」


「私ね、高校一年の時に病院へ行ったの。」


「どこか具合でも悪いのか?それとも病院で働く仕事の話か?」


「仕事じゃなくて、病気の方なの。」


「有希が病気?お父さんは初めて聞いたぞ。」


いよいよ核心だ。



「『性同一性障害』って病気があって、『身体の性』と『性自認』が違う病気なの。簡単に言うと、体と心の性別が違うの。」


「オカマとかオナベみたいなのか?」


「それは違う。それは自分がなりたくてなってる人。この病気はそうじゃない。」


「じゃあ何か?有希は男だっていうのか?」


「小さい頃から、スカートを履かされるのが嫌でたまらなかったよ。なぜ?ってずっと思ってた。胸が出てきた時は、ショックだったし、最初はぶつけたとかで、腫れてきたんだと思ってた。でも違ってた。」





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