ボクは誰?
そういえば、

史佳の家庭って、

どんな感じなのか、

今まで聞いたことがなかった。

聞いてはいけないことを、

ボクは言ったのかな?


「そっか。でも、史佳さえよければ、毎年夏休みに来る?」

「いいの?」


ボクの一言で、

今まで笑顔が消えていたのが、

嘘みたいに、

瞳をキラキラさせていた。



こんな史佳の表情を見た瞬間、

胸がキュンとした。


幸せだな。

でも、

なぜ苦しいんだろう?


これが、

『切ない』って気持ちなんだろう。

わかってはいたけれど、

苦しいな。




< 34 / 406 >

この作品をシェア

pagetop