ボクは誰?
「絵美。さっきボクに殴られて痛かったんだろ?痛くて悲しくなかったか?殴って悪かった。」


「…。」


絵美が涙をポロポロこぼした。


「さあ、絵美。そんな危ない物は捨てよ?殴られて痛かったところ、ボクが冷やすからこっちへおいで。」


「…。」


「何、突っ立ってるんだよ?痛かったんだろ?冷やした方がいいな。氷を探すから待ってな。」



…カタン



カッターナイフを落とした絵美は、

いきなりうずくまって号泣した。

ボクは、

絵美の頭を撫でた。



ああ、

ズキズキ痛くてたまらねー。



意識が遠くなっていきそうだ。



目の前が真っ白になっていく。






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