ボクは誰?
「有希。ごめんね。本当にごめんね。」


いきなり、

史佳が泣き出した。


「史佳。知ってるだろ?ボクは、男になりたいんだ。だから子宮がなくても困らない。逆に取る手間が省けたじゃん。」


「…。」


「史佳。守れなくてごめん。怖かったろ?ごめんな。絵美があんなことをしたのは、全てボクのせいなんだ。だから本当にごめん。」


「ううん。有希。ゆっくり休んでね。」


史佳は立ち上がり、

病室のドアへ向かって歩いた。


そして、

ドアの前で立ち止まる。


「有希。ありがと。」


ボクを見ないまま、

史佳は病室を出て行った。









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