ボクは誰?
「あのね、有希の田舎へ一緒に行ったの。」


嬉しそうに話す史佳は、

大好きな大貴が相手だからか、

顔を赤らめながら話す。


「へー。どんなとこ?」


史佳はボクをちらりと見てから、


「ひみつー!」


って言ったら、

珍しく大貴が食いついてきた。


「教えろよ。なあ、鈴木。」


「えー?ダメだもん。」


そんな二人の会話を聞いていたら、

ボクはいない方がいいと感じて、

廊下に出て階段まで行った。



まだ暑いはずなのに、

ひんやりとした風が通り過ぎた。



史佳と大貴、

いい感じだった。

このままうまくいけばいいな。





でも、

何だろう?

胸が痛い。

胸が苦しい。



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