ボクは誰?
「ねぇ、名前は何ていうの?」


ありきたりかなー?
でも、

これでも精一杯なんだよ?

話しかけられた子は、

私の名札を見ていたから、


「あ、私は鈴木ふみかって名前なの。ふりがながないと、読みにくいでしょ?」

そうごまかした。


「ボクは高橋有希。」


いきなり返事をされて、

びっくりしたのと、

嬉しかったのが、

ごちゃごちゃになって、

そんな気持ちをごまかすように、


「えー?高橋さんって、『ボク』って自分を呼ぶんだぁ!」


って、

高いテンションで話してる私がいた。




私って、

こんなキャラだったっけ?

私の変化に、

私が一番驚いていたの。


「何か、『私』ってガラじゃないから。」


高橋有希って子は、

不思議な雰囲気を持っている子だったの。

うまく言えないんだけど、

『ボク』がピッタリしてるんだー。


私、

この学校に来て、

よかったかもしれない。



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