ボクは誰?
親友の有希なら、

話しても、

私を嫌いにはならないよね?

誰にも言えなかった苦しみを、

吐き出してもいいよね?



悩んだけど、

有希を信じて話そうと決めた。


「実はお父さんとお母さんは、もう愛情がなくてケンカばっかりしてる。だから今ではお母さん、好きな人を作ってデートしてばかりいる。たぶんお父さんにもいる、恋人が。」


勇気を出して話した。

怖かった。

この話を聞いた有希が、

私から離れてしまうんじゃないかって。


「それって『不倫』っていうのじゃん。」


「そう。ダブル不倫。だから、私がいると困るらしいよ。」

有希はすごく驚いてた。

そうだよね。

そんなの、

私も気づくまでは、

テレビだけの世界だと、

ずーっと思ってたもん。


「私が早く帰ると、お母さんは彼氏と一緒にいられないから、私、学校が終わると本屋で時間を潰すの。」


自分のことなのに、

話していると、

涙が出てきた。





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