ボクは誰?
言えないよ。

あの時、

史佳を守れなくて悔しかったこと。

史佳を守るために、

空手を始めたこと。

カッコ悪くて言えないよ。

だからボクは黙っていた。


「親友の私にも、なぜなのかを話してくれないの?」


淋しそうな史佳の声を聞いたら、

すごく切なくなった。

そして、

『親友』という言葉が、

ボクの胸を突き刺した。



どんなに頑張っても、

どんなに想いをよせても、

『親友』でしかないんだよな。





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