ボクは誰?

夜更かし

「そういえば、夏休みに田舎へ行ったきりだね。こうしておしゃべりするのは。」


布団に入ってから、

史佳がボクに話しかけてきた。


「そうだな。」


適当な返事をするボク。

何となく何かが引っかかる。

何だろう?


「有希、どうかしたの?」


「何でもないよ。」


「そう?ならいいんだけど。」


眠くはないけど、

頭はあまりすっきりしない。


「ねえ、有希。好きな人はいないの?」


『いるよ。史佳が大好きなんだ。』


そう言いたかった。

言えたら、

どんなに楽だろう?


「いや、いないよ。」


「大貴が好きなんじゃないの?」


「興味ないな。」


「そうなんだ。私、やっぱり大貴が好き。自分でも気持ちをコントロールできないの。年中大貴が夢に出てくるの。どんどん好きになってる。どうしたらいい?」


そんなに好きなんだ。



何だか、




複雑だな。




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