ボクは誰?
からかって楽しむ反面、

やっぱ複雑だよな。


学校に着いて、

史佳と別れてから、

ボクは自分のクラスに入った。


「有希ー。」


同じクラスの早紀が、

珍しく話しかけてきた。


「どうした?」


「ちょっといい?」


二人で教室から出て、

あまり人がいない場所まで移動。


「有希、私、もうダメ…。」


「早紀らしくないじゃん。どうした?」


「昨日、大貴に告ったの。そしたら、『好きな人がいるから。』って断られた。」


ポロポロと涙をこぼしながら話す。

へー。

大貴、

相変わらずモテるな。


「有希、私どうしたらいい?」


「どうも何も、簡単には諦められないんだろ?」


「うん…。」


「好きって気持ちは、簡単にはコントロールできないもんだし、すぐには変えられないもんだろ?」


「うん…。昨日断られてから、ずっと諦めようとしたけど、やっぱり無理だった。」


ふと見たら、

早紀の目は赤く腫れていた。



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