好きを私にください。
「俺がそんな奴に見える?」

「…あたしそんな人好きになんないってば。
でも…先生大人だもん、遊ばれてるだけかもしれないじゃん。」

「疑り深すぎだろ。」

「すぎないよ、これでもまだ足りないよ…。」

「…。」


あたしは起き上ってベッドの上に座った。


「ねぇ、なんで付き合うって言ったの?」

「…。」

「だってあたし、先生の気持ち知らない!
遊びなの?からかってるの?分かんないもん…。」


ヤバい、泣きそう…。

今日あたし、どんだけ泣いてんだ…。



「俺、好きな奴としか付き合わないよ。」



「っ…。」

「俺、んな軽くないし。」

「じゃあっ…なんで元カノさんと別れたの?」

「…心変わりしたからっつったじゃん。」

「なんで心変わりしたの?」


結構長かったのに。
なのに…。


「…好きな奴ができたっつったら?」

「…え。」


先生は体を起こして言った。


「俺だって立場的こんなんだし、相手が相手だし、ムチャクチャ悩んだ。」

「…。」

「けど、心ん中まで入ってくんだよ、しっかりと、深くな。」


先生は顔を上げてあたしの目を見て言った。


「お前、責任取れよ?」

「っ…。」


あっ、あたしの事だったの!?


「責任て…どうやってよ。」

「俺と付き合ってれば取れんじゃん?」
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