好きを私にください。
「アンタ…何回俺にバカって言えば気が済むの!?」

「一生!!!」

「はぁ!?」

「先生は一生経っても勉強以外はバカだーーー!!!」

「勉強でバカじゃなきゃ十分だろ!」

「…しーっ、お母さんとか起きちゃう。」

「…アンタが1番うるさいよ。」


…。


「ねぇ、先生。」


あたしは体を起こして先生と向き合った。


「ん?」

「もう1度聞く。先生は、あたしの事好きで付き合うの?」

「だから、好きじゃ無かったら付き合わない。」

「そうじゃなくて…ちゃんと言葉で聞きたい。」


あたしは過去を思い出した。


「あたしね、1年の頃、彼氏、いたんだよ。」


これでも!意外~とか言われちゃうけどさ。


「でもね、1度も好きって言われたこと無い。
相手、シャイだったの。

あたしは何度か…手紙とかで伝えたけど、あっちには全然そういうこと伝えられたこと無いの。」


…先生にこんな事求めるなんておかしいかもしれない。

けど、言葉が、欲しい…。


「…ガキだな~。恥ずかしがってんな事も言えねーんじゃ。」

「…。」


先生はポンッとあたしの頭の上に手を置いた。


「好きだよ、ちゃんと。」

「っ…。」


頭撫でられるとホッとする。

お父さんを思い出す…。


「ん?」

「~~~っ!!」


あたしは照れ隠しで、先生に抱き付いた。
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