好きを私にください。
「かん「何も言わないで。」


あたし、このままがいいかも…。

落ち着く…。


「このまま…お願い。」

「…うん。」


先生はそっとあたしの背中に腕を回した。


あたし、信じてもいいのかな?


本当に両想い?

…信じてもいいのかな、じゃない…信じたい。


先生だからこそ、信じたいんだ…。


「菅田さん…。」

「菅田さん嫌…。」

「あ?」

「さん付け、他人みたいで嫌だ。」

「じゃあなんて呼べと?」

「…菅田さん以外。」

「菅田?明海?」

「なんでもいいよ…。」

「そう言うんならお前も俺のこと先生って呼ぶなよ?」

「何て呼ぶの?高ちゃん?和ちゃん?」

「高ちゃんて呼ぶの止めろ…。俺は何歳だ…。」

「永遠の18歳?」

「こう言う時だけ使うなよ…。」

「えへ☆」


高ちゃん?…ダメなんだよね。

和ちゃん?和樹?


「和ちゃん?和樹?」

「お前、それ塾で呼ばない自信あるか?」

「ある!!」


慣れてんだよね、そういうの。

舞佳と真菜と、好きな人に偽名を付けて、あたし…明海だったら春とか…呼んだりしてるから。

普段から本名で呼んでるとバレちゃうから、
普段はその偽名を使うの。


「どっから来んだよ、その自信…。」
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