好きを私にください。
「あ~、なんか他の奴等も言ってたなぁ。」

「んで、先生が変わってからむちゃくちゃ分かるようになっちゃってね?
あたしその先生嫌いなんだけど、思わず感謝してる。」

「アンタ嫌いな先生多いな~。1、2年の頃の先生も嫌いだったんだろ?」

「だっておじいちゃん、嫌だったんだもん。」


よく覚えてるなぁ~…。

前に1回だけ…


『先生、ここ分かんない!』


1、2年の理科の復習してて、分かんないところがあったから先生に聞きに行ったんだよね。

で、その時に


『いやぁ~、理科の先生嫌いだったから全然説明聞いて無くてぇ~…。
サッパリなんだよねぇ☆』


って言った。


「でも今は結構できてるし…。」

「ま、俺んとこ聞きに来いよ、教えてやっから。」

「…うんっ!」


あたし、きっとルール違反だよね。

文系はお兄ちゃん、理数系は先生に教えてもらえるからね。


「先生、ここ…。」

「ん?」


先生に教えてもらいながら問題を解いていく。


「…勉強嫌だ、飽きたっ!!」

「アンタねぇ…。」

「ねぇ、先生、お話しよー!」

「お話って…。」


あたしはベッドに乗るとうつ伏せに寝転んだ。


「だってあたし、まだ先生のこと何にも知らないもん。」


やっぱり、先生って言ってる方が落ち着く~…。


「…。」

「だからさ、いーでしょっ?ね!?」

「いーでしょってったって…何話すの?」

「いろいろ!先生の年は知ってるから…どこ中出身とか、高校とか!!」


知りたい事なんかいくらでもあるよ?
あたし、先生のこと知らなすぎるから…。
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