好きを私にください。
それから先生のこと、いろいろ聞いた。


本当にかなりのやんちゃ坊主だったんだな~…。


「ふぅ~ん、先生って面白い。」

「それ褒めてんの?」

「…。」


あ、もう7時…。


「先生、今日どうすんの?」

「あ~…どうすっかな。泊ってってもいんだけど…アンタのお母さんが気にするでしょ。」

「お兄ちゃんの友達って事にしとけばいけんじゃない?」

「ん~…明海、どっちがい?」


うっ…。

ずるい使い方だな…。こういう時にそんな風に言われたらあたし…


「泊って欲しい…かもです。」


どうしていいか分からなくなるっていうか、おかしな方向に進みますけど…?


「んじゃ泊ってやる。」


って意地悪く笑う先生。


「…本当は先生が泊りたいんじゃないの?」

「は!?お前が泊ってっつったんじゃん。」


…やられた。

菅田 明海、穴に潜りたいです。


「へー、明海、案外やるじゃん!」

「「…。」」


1番来て欲しくない人がもんのすんごいタイミングで来てしまった…。


「泊って欲しいとか…お前案外ガッツイてんなー!!」

「…黙っといた方がいいよ、クソ兄貴…。」


今なら思いっ切り殴ってやれる自信がある。


「明海ちゃん怖ぇー!!!」


って言ってケラケラ笑いながら出て言ったお兄ちゃん。

あたしはバンッと大きな音を立ててドアを閉めた。


「ったく…。」
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