好きを私にください。
ヤッバ。


「まーまー、気にしないで、ねっ♪和ちゃんッ!」

「…調子いいなぁ、アンタは…。」

「えっ、えへ?」


…あたしがこうして先生の隣に入れる事も、きっと奇跡。

あたしは先生に肩におでこをくっつけた。


「…?」


世の中には、あたしみたいに禁断の恋をして…叶わずにただ見てるだけで終わっちゃう子だって多いんだ。


「先生。」

「ん?」

「…好きです。」

「…ん。」


あたしは、とりあえず、幸せを噛み締めておこう。


「うっし!お風呂入って来るね!」

「おー。」

「えっと…まぁ適当にしてて!探ったりとかしちゃダメだからね!?」

「はいはい。」


あたしはお風呂に向かうと、はぁ~っと大きな溜息を吐いた。


あたしって、なんだかんだで幸せ。

先生がいるし…


間違いを教えてくれる親友だっている。


でも、本当…舞佳と真菜にはごめんなさいだなぁ。

悪い事しちゃった。


今度からは、ちゃんと気を付けないと。


あんまりヒドイと、先生にも見捨てられちゃいそうだし。


「ふ~…。」


お風呂の中が1番落ち着く。

にしても、あたし、やっぱ先生のこと“和ちゃん”って呼ぶの無理かも。


“先生”って呼んでるのが1番いい。


別に呼べ無くないけど、なんかイマイチ。
“先生”の方が、しっくりくる。
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