好きを私にください。
「明海、行こ。」


彼女をシカトして行こうとする先生。


「和樹!」

「先生…。」


この人…もしかして…佑実さん?

先生の元カノの?
こんなキレイな人が?嘘でしょ…?


「和樹!待ってよっ…!!」


声までキレイだなんて反則だ…。
しかもオシャレだし。モテるんだろうなぁ、この人…。


「和樹!!」


ドンドン歩いて行こうとする先生。


「先生!!!」


あたしは先生を呼び止めた。


「!?」


佑実さん…?は大きく目を見開いた。

止まって振り返った先生も目を大きく見開いていた。


きっと先生はあたしが先生と佑実さんには関わって欲しくないって思ってると思ってたんだ。

そりゃ関わって欲しくないけどさ…。


「逃げちゃダメだよ!


あたしは先生の所まで歩いて行くと、先生からトレイを奪って


「ちゃんと、話して。」


そう言って、席に向かって歩いた。

怖い。


あたし、バカだ。放っておけばよかったものを…あたし、なんであんなこと言ったんだろう。


「ふぅ…。」


席に着いて、先生が来るのを待つ。

もちろん、マックには手を付けず。


もしかしたら戻って来ないかもしれない。
だけど、これでよかった。

今の事をずっと引きずったままいるよりも、ちゃんと話した方が先生的にも良かったと思うし…。


「先生…。」


あたし、待つよ。

先生が来るの、ずっと待ってる。
信じて待ってるよ。


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