好きを私にください。
「ん…?明海か。」

「死ねクソ兄貴。」

「まー待てや、明海。」


布団に座ったお兄ちゃん。


「何さ。」


今日は寝起きいいな…。


「お前昨日泣いた?」

「…。」


それでちゃんと起きたのか。

お兄ちゃんは、あたしのこと結構好きだと思う。
うん。


「泣いただろ。目ぇ腫れてんぞ。」


確かに昨日泣いたけど…いつものことだし…。


「なんか悩んでんのか?」


…そういえば、昨日はいつも以上に泣いた気がする。そのせい…?


「ん~…まぁ。」

「いじめか?」

「春休み中にいじめは無いんじゃないかと…。」


春休み中までいじめてくるような暇人いないよ。

あたしは部活入ってないから…。


「じゃー恋だ!」


って嬉しそうに言うお兄ちゃん。

あたしは溜息を吐いて、お兄ちゃんの側に座った。


「んな悩むような恋してんのか?」

「ん~…人一倍悩む恋してる。」

「先生か…?」

「…さぁ。」

「てか先生だろ。昨日言ってたし。」


…ゲッ。

この男、昨日部屋の前を通ったな…。


だから知ってんだ…。


「昨日呟いてたもんな~。」
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