好きを私にください。
佑実さん…夢の中での言葉。

すべてが心に重くのしかかる。


「んじゃあ、俺はもう帰るかな。」

「えっ…。」

「今日は泊る気無かったし…アンタ明日学校でしょ?」

「うん…。」


今日はいてほしい。

佑実さんといい夢といい…不安でならなかったから…寂しくて誰かに…ううん、先生にいてほしかった。


でも、我が儘言っちゃダメだよね…。

しかもあたしも恥ずかしいし。


「じゃ。」


って言って立ち上がった先生。


「あっ…。」

「ん?」


思わず声が出ちゃったし。

しかも声…すごい優しかったし。


「えと…」


あたしは目線を反らしながら言う。


「お、おやすみなさい…。」

「…。」


返事が無い。

…ヤダな、ここにいてほしい…。


「先生…?」

「…帰っていいの?」

「へっ?」


何をおっしゃる、先生。


「…。」


きっと先生は気付いてるんだろうな。


「…本音は?」


ベッドの側にしゃがんで目線を低くしてそう聞いた。
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