好きを私にください。
「お母さんが朝起こしに来るかも…。」

「何時に?」

「7時くらい…。」

「じゃあ俺6時45分くらいに起きて亮の部屋行く。」

「ゴメンね、よろしく。」


本当に起きてくれるかは分かんないけどね。

こうなったらお兄ちゃんに頼むか。


「お兄ちゃん。」

「ん?」

「先生とあたしの部屋で寝るから、明日の朝お母さんより早く…6時45分くらいに起こしに来て?

そしたら先生、お兄ちゃんの部屋に避難するから。」

「了解ー。」


これでまぁいけるだろう。

あぁ、死にそう…。


あたしが部屋に戻るとチャッカリあたしのベッドに入ってる先生。


「俺眠い。」


あたしは電気を消してベッドに近付く。


「もう…。」


あたしは奥の方に寝っ転がった。

お兄ちゃんが起こしに来た時に起きやすいように、先生は手前に。


「…先生。」

「ん?」

「あたし、間違った事してる?」

「…。」


…何言ってんだろ、あたし。
先生が困るだけじゃん…。


あたしはギュッと先生に抱き付いた。


「あたし、絶対先生から離れない…。」


例え否定されようとも、あの塾を去る事になっても…。


「…あぁ。」


先生が抱きしめ返してくれる。

それを合図にするかのように、ドッと涙が溢れ出す。
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