好きを私にください。
「…あ。」


こやつ、ずっと起きてたんだ!!

昨日あたしが泣きながら先生のこと呟いたの知ってるから…あたしが起こしに来るの分かってて布団にいたんだ!!!


「お兄ちゃん、あたしが起こしに来るの待ってたでしょ。」

「正解。俺だってたまには自分で起きるし。」

「あたしにそのこと聞くために…。」

「まぁな。途中でマジ寝しそうでヤバかったけど。」


あたし、お兄ちゃんの罠にはまってたのね…。


「で、先生って?塾?」

「うん。理科の先生なの。」

「ふぅ~ん。」

「でもね、叶わない恋だから。」

「なんで?」

「…先生、彼女持ちなの。」

「…。」


バカだよね、あたし、勉強もできないのに、恋だってこんなんで。
呆れちゃうよね。


「ま、頑張れ。俺も似たよーな恋してっから。」

「へっ?」

「俺、塾でバイトしてるだろ?」

「うん。」


お兄ちゃんの将来の夢は学校の先生。
今4年生…だったかで、塾にバイト行ってるんだって。


「…高校生なんだよ、相手。」

「嘘…。」


まさかの!?


「や、塾の先生、ダメだよ~…。」

「お前も変わんねーだろ。」

「そ、そぉ??」


ていうか、塾もやっぱりあるのかな。

“生徒との恋愛は禁止!!”みたいなやつ。


学校はあるよね…。


…あるのかな。

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