好きを私にください。
「どういたしまして。」


しっかりしたがたいに、高い身長。

お調子者だけど、ちゃんと責任感もあって、結構頼れる奴。


あたしから言うと、お兄ちゃんみたいな存在だ。
まぁ、こんなこと死んでも誰にも言えないけど。


「明海っ、大丈夫っ?」


真菜がすぐに駆け寄って来る。


「うん、大丈夫。持田が助けてくれたしね。」

「よかった~っ。」


本当だよ、持田ごと落ちて無くてよかったし…。


「どうするっ?理科、出る?」

「理科だから出る。」


理科なんて、遅れをとったら終わりだと思う。

第一、理科だよ、和ちゃんだよ?


前に真菜にこう言ったらドン引きされたからもう言わない…。


それから授業を全日受けて家に帰った。


今日も塾か…。

自然とため息が漏れる。


塾…大好きなのに、こんな事になるだなんて。


「おっ、明海、塾?」

「うん…もう最悪…。」

「お前、成るように成る精神はどうした~!?」


ゔっ…。


「うっし、夕飯は俺と食いに行くか!!」

「えぇ!?」


だってお母さんがご飯作ってくれて…


「母さん、仕事で遅くなるって言ってたし。」

「…お兄ちゃんの奢りかぁ、ありがとぉ♪」

「は!?…ってまぁ、未成年に割り勘とかさせる気ねぇけどさ。」


お兄ちゃんの車に乗り込んで、近くのファミレスまで行く。
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