好きを私にください。
賑やかな教室。

皆が笑ってて、楽しそうな教室。


だけど…裏を見てはいけない。

だって裏では…噂や悪口のオンパレードだから。


「授業始めるよ~。」


って言いながら教室に入って来たのは和ちゃん。

最悪のタイミング…。


舞佳以外のほぼ皆があたしの反応を見ようとチラチラとあたしを見る。

そうでなくてもあたし、顔とかに出やすいみたいで、かなり分かりやすいらしい。


「んじゃ宿題の答え合わせするよ~。」


呑気なのか呑気に振舞ってるのか…あの性格が羨ましいな…。


あたしはなるべく先生を見ないように、話さないようにしながら過ごした。

もちろん、今まで並みの会話は一応したけど、この関係がバレないようにといっぱいいっぱいだった。


「明海、結構噂あるよ…。」


休み時間、舞佳に言われた一言。


「えっ…。」


もちろん小声で。


「もう佑実さんの噂かなり定着しちゃってるから…。」


舞佳にも佑実さんのことは話してたから、舞佳も佑実さんって呼んでるんだ。


「そこに明海の噂も重なって、なかなかのものが…。」

「嘘…。」


覚悟はしてた。

でも、この関係がバレるよりあたしの噂がある方がまだいいって…思った。


「明海が佑実さんから奪ったとか、しつこく付きまとってるとか…。」

「あたしが悪者かい…。」


てか…


「あたしらが付き合ってる前提なの…?」

「なんかそうみたい。」


…それって、結局よくない…。
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