好きを私にください。
「おやすみ。」


あたしは先生を抱き枕感覚で抱きしめてた。

だって、抱き枕ってあるとなんか落ち着くし、寝やすいんだよね。


安心するし…寂しくないし。


少しだけ、心の痛みも忘れられる…。



だって…噂の事が気になって気になって仕方無くて…。

どうしたらいいかが分かんなくて。


覚悟はしてたのに、皆の目が怖い。


気にしすぎだってよく言われるけど、その通りだと思う。

あたし、マイナスすぎなんだよね…。



でも、今回ばかりはそうも言ってられない。


先生が関わってるし、万が一バレたら…どうなることか。

正直そろそろ先生たちの対応も気になってきたし…あたし、大丈夫かなぁ?


先生、塾辛くないかな。

大丈夫かな…。


グッと先生に抱きしめ返される。


「…。」


先生…―。


ゴメンね、まだあたしが幼くて。
ゴメンね、あたしが塾生で。

ゴメンね、こんな出逢い方で。


-ズキッ


「いっ…。」


思わず声が漏れる。


「明海?」

「何でも無い…大丈夫、おやすみ。」

「あぁ…。」


あたしの腕に先生の腕が当たって、痛みが走った。

神経が逆立っちゃってて、ちょっと擦れただけでも痛く感じちゃうんだ。
相当周りに気を使ったり、神経を尖らせたりしてるとなっちゃうんだよね、あたし。

最悪だ…。

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