好きを私にください。
それはほんの数十分前。


“散歩行こう!”


ってお母さんに夜にも関わらず家から連れ出されたんだ。


“嫌。”


って言ったら


“大事な話があるの。”


って言われた。

だから渋々付いて来たんだけど…


あたしは怒られるのかと思いビクビクしてた。






“新潟に、引っ越すことになったの。”







予想もしていなかった言葉に、思わず顔から表情が消えた。


引っ越し…?


“は…?”

“来年の4月に、あっちに帰ることが決まりました。”


嘘でしょ…?

信じたく無くて、嘘だと思いたくて。



でも、お母さんの顔を見ていたら、そんな事思えなくなった。


ここは埼玉。

新潟はかなり遠い。


引っ越したら…。



様々な事が頭をよぎる。

だけど、1番大きかったのは…


先生…。


真菜と舞佳は、きっと…ううん、絶対に離れてても大丈夫。

だって、今までがある。
苦しい事だってたくさん乗り越えて来たんだもん。
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