好きを私にください。
だけど、先生は…大人。


今こうして離れているだけでも不安なのに…

嫌だ。


離れたくないし、不安だし。



先生は大人だよ?

出逢いだって多いでしょ?


あたし…嫌だ、どうしたらいいの…?



ほんの数十分前の事が夢のように思える。


「お兄ちゃんは…知ってるの?」

「うん…。」


指で涙を拭っても、反対の目から涙が零れ落ちて、後から後から涙が零れ落ちて指なんかじゃ足りないって分かった。


「あたし…。」


ここにいたいよ…先生…。


「お兄ちゃんは、どうするって?」


大学生のお兄ちゃん。

もうすぐ卒業だけどさ…。


「どうせ大学も卒業だから、あっちに住むって。」


お兄ちゃん…往生際がいいというかなんというか。


「ヤダ…引っ越したくない…。」

「明海…。」

「一人暮らししてでもここに残るから。」

「明海ッ…!」


ヤダ…行きたくないよ。

ここにいたいよッ…。




先生と離れたくないよぉっ!!!





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