好きを私にください。
-翌日


先生が来るって事で、部屋を掃除した。


スッキリしてキレイになった部屋。

物があんまり無い…。


来年引っ越すとき…これに似た光景を見るんだ…。



引っ越す直前。



何も無くてガランとしてて

すごく広く感じられる部屋。


「っ…。」


フッと涙が溢れて来た。


寂しいよ、悲しいよ…。

引っ越しなんかしたくない…。
ずっとここにいたいよ…。


-ガチャッ


「明海~。」


そう言いながら部屋に入って来たのは


「先生…。」

「って…何泣いてんの?」


ヤバッ…泣いたままだった…。

いや、元々今日話しちゃおうかと思ってたんだけど…。


いざとなると嫌だ…。


「先生…。」

「ん?」


あたしの大好きな優しい声。

あたしの目の前に来る先生。
目の前にすると、涙が溢れて来る。


「別れたくなったら、フってもいいから…。」


そう呟いた。


「は?」


遠距離なんか、誰だって嫌だよね…。
< 206 / 350 >

この作品をシェア

pagetop