好きを私にください。
「キレイだったぁー♪」

「な。」


彼氏とこういうの、すごい憧れだった!


あとは道路を渡って、車の止めてある所まで戻るだけ。

先生が前を歩いてて、あたしが後ろを歩いてる。
先生の歩幅には、ついてけない。


-クラッ

ヤバ、貧血…。
気ぃ抜いちゃったかな…。


そう思っていたら


-パッパーッ


「え…。」


結構なスピードで向かって来る車。

避け切れない…な。


貧血で動けないし、体力も落ちちゃったからダッシュもできないし。
全部…避けるための要素なんか、失くしちゃったよ。


-キキィッ


車の急ブレーキの音だけは、聞こえたんだ。

だけど…










もうそこから、



記憶がない。










ただ聞こえたのは、

必死にあたしを呼ぶ、



先生の声だけ。



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