好きを私にください。
俺の願いもむなしく、明海は目を覚まさなかった。


1日が過ぎて、また1日が過ぎて、

そして1週間が過ぎた。


それまでには明海の友達も見舞いに来たり。


俺は、明海のご両親や亮に言われて、病院に寝泊りすることは止めた。

それでも、やっぱり明海に付きっ切りだ。


塾は、亮が緊急ってことでバイトとしてだけど、俺の代理をやってくれてる。


もちろん塾の先生たち、明海のご両親に関係はバレた。

けど、皆俺らの関係よりも、明海のことを優先しろ、そう言ってきた。


だから、俺らの関係は今のところまだ保留だ。

明海が目を覚ましたらどうなるかは分かんねぇけどな…。


「明海ー。」


もはや下校の恒例らしい。


「今日ね、いろーんなことがあったんだよぉ!」


明海の友達3人が絶対来る。

っつっても2人は女、1人は男。


女の方は、田中さん…舞佳と、真菜っていう子。
2人共明海とは仲が良くて、親友らしい。

まぁ、田中さんの方は塾で見てりゃ分かるけど。


男は…まぁ持田だ。


なんでアンタまでって思ったけど…仕方ねぇよな。


心配な気持ちは一緒なんだろうし。


「でねっ、アイツ超おかしくってねっ!?」


楽しそうに話す、真菜って子。

だけど時折見せる表情は切なさいっぱいだ。


それを見るたび、俺の心が痛む。


なんせ、そんな顔をさせてんのは俺だ。


責任感じるし…。


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