好きを私にください。
・。+* 亮 *+。・


「明海…まさか塾の先生と付き合ってたなんて。」


ここんとこ、母さんが言うのはそればかり。


「何しに塾に言ってるんだか。」


そしてこれが父さんの口癖。

まったく、他に言えないのかよ。


明海はまだ眠ったままだ。
もう1週間が経った。

和樹は塾の仕事も行かずに明海に付きっきりだし。


俺は変わりに塾の先生のバイト。


バイト先にいる佑実って人が、結構世話焼いてくれてる。
なんでも和樹の元カノなんだとか。俺らが高2の頃からこの間まで付き合ってたあの…子だよな。


ありがたいけど、明海のいる環境も複雑だなーって思った。

結構俺、知らないことあったんだなって思った。


-~♪

ケータイの画面に表示された顔を見て思わず微笑んだ。


『妹ちゃん目覚めた??』


相手は例の俺のバイト先の塾の生徒だ。


なんだかんだで…付き合うことになってたり。

で今付き合ってる…みたいな?


俺は先生の卵だけど、今は大学生だし。

ギリギリセーフ…だ。


俺は明海の部屋に行くと、明海のベッドに腰掛けた。


「ったく…いい加減報告させろっつの。」


俺はお前の目が覚めるまで、

報告する気ねんだよ。


真菜ちゃんと舞佳ちゃんにも心配かけやがって。

あ、持田とかって子もよくお見舞い来てるらしいけど。


さっさと目ぇ覚ませバカ野郎。


『まだ。あのバカ、早く目ぇ覚ますといんだけど。』

そう送ると

『でもなんだかんだで心配なんでしょ??
 妹ちゃん大好きだもんね♪』

って。

余計なお世話だ。

『今度妹ちゃんに会わせてね!』

って…本当、明海、お前早く起きろよ。
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