好きを私にください。
・。+* 和樹 *+。・


さすがにキツイ。

明海が事故ってから1週間と3日。


俺がおかしくなりそうだ。


俺が鬱(うつ)にでもなりそうだ。


「明海…。」


付きっきりも、辛いもんだ…。目が覚めてるならまだしも…。

俺は息抜きに屋上に行くことにした。



-ギィイッ…

なかなかいい音すんな、このドア…。


俺、何気怪談系好きだし。


ドアを開けると、気持ちのいい風が吹いて来た。まぁ、冬に近い秋だし、寒いけど。

俺はその辺にあったベンチに座った。


少しすると、またドアが開いた。


「こんにちわ。」


おっとりとした口調でそう言って来たのはおばあさん。

よく病院で見かける人だ。


「こんにちわ。」


とても優しそうな顔をしてる…。


「アンタよく見かけるけど…誰かのお見舞いかい?」

「あ、俺の彼女が事故に遭って…。」


おばあさんは、俺の隣に腰かけた。


「そうかい…それは、辛いねぇ…。」


辛い…けど、明海が目を覚ましてくれるって信じてるからな。


「私もねぇ、主人の面倒見だよ。」


そう言うおばあさんの顔は全然辛そうじゃなかった。



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