好きを私にください。
「ここへ…?」

「そう。息抜きだって大切だよ。ここは空が見えるし、風も通るし…いい場所だと思うよ。」

「…ありがとうございます。」


明海…。

なんか、大丈夫のような気がするわ。


「自分を責めるんじゃないよ。」

「…。」

「責めたって何も始まらないさ。相手を想うこと。それが1番大事だよ。」

「…はい。」


大丈夫。


「アンタは私よりずぅーっと若いんだ。お見舞いも大事だけど、何事も好奇心旺盛に、楽しまないとね。」


大丈夫。


「はい、ありがとうございます。」


俺は立ち上がると、


「俺、もう行きます。」

「あぁ、そうしな。待ってるかもしれないからねぇ。」

「…はい。」


屋上を後にして、自販機でコーヒーを買った。


もう、大丈夫だ。


アンタの目が覚めるまで、ずーっと待ってから。



本当は早く目ぇ覚めて欲しいけど…


急がなくても、いいからな。




ゆっくりすぎんのは困るけど、

俺は待ってっからな…。






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