好きを私にください。
・。+* 明海 *+。・


事故に遭ったのは覚えてる。


早く目を覚まさなきゃって思う。



真菜が、待ってる。

舞佳が、待ってる。

お母さん、お父さんが、待ってる。

持田が、皆が、待ってる。



先生が…、待ってる。




だけど、もがけばもがくほど出口が見えない。


先生が、悲しんでる。


真菜が、舞佳が、皆が、

心配してくれてる、悲しんでる。



早く起きなきゃ。




目を覚まさなきゃ。





「急がなくても、いいからな。」


不意に聞こえた先生の声。


「本当は早く目ぇ覚めて欲しいけど…

 アンタの目が覚めるまで、
 ずーっと待ってから。

 ゆっくりすぎんのは困るけどな。」



先生、ちゃんと聞こえたよ。



急がなくてもいい…分かったよ。


決してのんびりはしない。

だけど…



ちゃんと前に進むね。

待ってて…。




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